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屋号について

 屋号のAzuki(あずき)堂という和菓子屋さんと間違えてしまいそうな、名前は簡単には決まりませんでした。

 

 古本屋(古書店)を始めようと思ったとき、付けようと思っていた店の名前は

「蒼樹堂」という屋号でした。開店準備を進めながら屋号を決めなければと考えました。ところがいざ「そうじゅどう」と口に出してみると、何やら舌を噛みそうになってしまい、これは(?)だなと頭を抱えました。こうなると頭の中は、いろいろなものがぐるぐる回り始め、楽しく弾むのがいいなと「らんらん堂」「らんぷ書林」「らんぶる堂」、沖縄の本を扱うのだから「池原書林」(池原は沖縄・首里生まれの母方の姓)、「うりずん書林」(うりずんは「若夏」をあらわす)、果ては「ゴーヤ書林」、「チャンプルー堂」など収拾がつかなくなり、混乱の極みとなってしまい、いっそ「落ち穂拾い」「優柔不断堂」にしたらという声も聞こえてきました。

 

 2,3日たってもまだ決まらないところに、たまたま、長女が某コーヒーチェーン店で買ってきたお土産の袋に目がとまったのです。「AZUKI FRAPPUCCINO」とありました。思わず「あずきか」と声を出しました。店主はおしるこ・大福など小豆が入った甘いものには目がないのです。「アズキ堂、あずき堂・・・・・」と繰り返し、「『あ』からはじまるな、ネットで検索したら一番初めの『あ』だな」と浅はかでよこしまな考えを持ち始めたのでした。アルファベットの『A』だとこれも最初の検索になるのではと、さらに舞い上がり「Azuki堂」で行こうと決めたのでした。

 

 ただ「知の愉しみ」を掲げる古書店(ふるほんや)としては何か意味付けをしないことにはと、後付けをかんがえ、和菓子の持つイメージ「しっとりと落ち着きのある」古書店(ふるほんや)を目指すということにして・・・・・・・。