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おくりびと

先週、立川へ「おくりびと」(米アカデミー賞外国語映画賞を受賞)を観に行きました。アカデミー賞受賞候補作ということで前から話題になっていた映画です。平日の午後お昼過ぎの時間でしたが、マスコミで話題になった作品ということもあり、客席は満員とはいかないが、8割がた埋まっていました。自分たちも含め当然ながら?中高年の方がほとんどでした。

映画は、「納棺師」という、人の「死」に際して遺体を棺に納める職業を軸に、ユーモアをちりばめながら、「死」という誰もが避けることのできない普遍的で重いテーマを通して、逆によく生きることとはどういうことなのかと問いかけている様に思えました。

 一人の「死」に家族(夫婦・親子など)・友人がその人の人生とどう向き合ってきたかを、もう一度呼び起こし、「死者」を前に「関係」を振り返る機会なのだということ。

 

 山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史などの演じた役もそれぞれの背負ってきた「人生」を耐えながら、かつ、さりげなく見せていたのが印象深く感じました。

 

 多くの人がこの映画を観たことにより、これからの葬送儀礼の場で、納棺師(おくりびと)に対して人々の関心が高まっていくことでしょう。その一挙手一投足に視線が注がれることでしょう。

 何より、自分、家族そして友人など誰にも訪れる「死」というものをどのように受け入れていくのか考えさせられた映画でした。

 

 店主は、おそらく、きっと自分は「往生際が悪いだろうな」と、これまでをちょっと振り返り思うのでした。

どのように「おくられたいか」宿題を与えられた映画でした。

 

 「原作」となった「納棺夫日記 増補改訂版」青木新門 著(文春文庫 2009年3月10日第22刷)を近くの新刊書店で購入し、読み始めました。