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越中八尾 おわら風の盆

『「風の盆」と呼びならわされた年に一度の行事が来る。独特な音色を出す胡弓が加わった民謡越中おわら節を、人びとはのびやかに歌い、歌に合わせてゆるやかな振りの踊りを舞う。(中略)年に三日だけ、別の町になってしまったような興奮が来る。そして、町の誰もがその三日間を見つめて生きている。  (「風の盆恋歌」高橋治・新潮文庫から)』

 

 「越中八尾 おわら風の盆」に9月1日・2日のバスツアー(1泊2日の強行日程!?)で行ってきました。(関越・上信越・北陸自動車道で片道約7時間・八尾の町に滞在7時間・金沢に午前1時着・泊り、2日午前金沢市内散策・午後1時半金沢出発9時帰宅)

 

20数年前、高橋幸治・佐久間良子が出演したテレビドラマ「風の盆恋歌」、そのあとNHKのドキュメンタリーで風の盆の地方衆(歌い手・囃子手・三味線・胡弓・太鼓の奏者を指す。)の胡弓の名人を追った番組がありました。哀愁を帯びた胡弓の音が・・・・。

 

以前から一度は見てみたいと思っていました。特別に予備知識を持たず「町の中を踊り手たちが流す。」程度のものでした。

 午後4時半に八尾について、早速、休憩場所のホテル前で「町流し」、特設舞台でおわら踊りを。

 夜8時以降にならないと各町の「流し」は始まらないとの情報。それでは明るいうちに町を散策してみようと、町を流れる井田川にかかる吊橋「山吹橋」を渡り、坂道をゆっくりと上がると「曳山展示館」前には既に人だかり。全国から「風の盆」を見ようと3日間で20数万人が八尾に来ると聞き、驚く。(北海道から来たという方もいました。)

 

 西新町・東新町・諏訪町(ここは日本の道百選の一つだそうで、石畳がきれいだ。)・上新町を歩き、町の様子を見て、(通りに面した町家の2階が低くつくられている風情も印象に残りました。)休憩所に戻り夕食をとる。

 

 11の各町がそれぞれ「町流し」をするのだという。しかし、「町流し」がいつ始まるかわからない。各町の踊り手の法被・浴衣の衣装もそれぞれ独自の模様が描かれているそうだ。

 

7時過ぎ、夕闇の中を再度、橋を渡り、坂を上がると、「町流しだ」と声をあげる人がいたので、急いであとをついていくと、上新町の流しでした。初めて見る「流し」です。踊り手が。地方衆の音色も。通りの両側には私たちを含めて見物人が大勢。

その後、5つほどの流しと鏡町の踊り場で独特の「おわら」を見ることができ、初めてにしては幸運だったのでしょうか。(「伝承11町内」すべてを見ることはできませんでしたが)

「坂の町幽玄に」と地元紙にはありました。

 

もう一度、行ってみたいなと思わせる「おわら風の盆」でした。

 

東京に戻ると秋の風が感じられました。 最後にいい夏休みになりました。(「毎日が休みではないの」と突っ込みが入りそうです。)