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相撲協会 国技 入れ札

 相撲協会の理事選挙で元横綱貴乃花が「慣例」を破り立候補し、昨日、投票の結果、新理事に選ばれた。

 この選挙にマスコミがここぞとばかり、過熱な報道ぶりをみせた。

朝青龍騒動でまたまた相撲協会の動きが旧態然としていることが指摘されている。貴乃花親方がどのような「改革」を目指すのか、また他の親方衆も理事として相撲協会の運営をどのようにしていくか、明らかになっていない。マスコミは何を取材しているのだろうか。「番狂わせ」、「造反したのは誰か」など的外れなことを「報道」しているように思える。

 

 テレビでは過去の選挙の映像が映し出されていたが、投票用紙を立会人?がチェックしている様子があった。(白紙あるいは無効票のチェックと説明にあったが・・・。だれに投票したかのチェックだとも言われている。)

 

 一般に「無記名・秘密」投票が担保されていない選挙はおよそ民主主義のもとの選挙と言えないのではないかと思います。(組織固有の事情・やり方があるとは思いますが。)

今回は、投票用紙に書き入れる所に囲いがあり、誰に票を入れたかわからないようにしていたようですが。

 相撲協会に限らず、公正さを確保したうえでの選挙がおこなわれているかどうか、現在も様々な組織(自分たちの身の回り)でのあり方を考える良い機会だと思います。

 

「踏み絵」を思い出させるような選挙、談合選挙など、一人一人の意思がきちんと反映されない仕組みがありはしないか。

 名ばかり民主主義・観客民主主義・お任せ民主主義・からくり民主主義などと呼ばれるようなあり方を「変革」(チェンジ)するきっかけになるよう、今回の相撲協会の理事選挙からくみ取っていきたいものです。

 

「国技」とされる相撲を守ってきた協会が、過去に行ってきたとされる選挙方法を日本社会の「国技」としてはならないでしょう。

 

 雪かきした後にちょっと生意気?なことを考えたみた店主です。

 

追伸

落選した大島親方(支持した親方衆も)はどんな思いを持ったのでしょうか。菊池寛の短編『入れ札』(「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」新潮文庫所収)を再読したくなりました。