· 

桜 大震災 原発

弥生三月なにを悲しむ汽車は野に医者は花見にゆきしとぞ聞く

      (風に献ず 壱)「風に献ず  福島泰樹歌集」より

 

 東京の桜の開花の報が伝えられた。桜の季節は、その花の姿、色に比べ、禍々しいイメージがつきまとう。満開の桜の下には・・・。

 

被災者の皆様にお見舞い申し上げます。亡くなられた方のご冥福を祈ります。

 

サンテン・イチイチ(3・11)はこれから記憶されていく数字となることでしょう。

そして、いまだその数が確定されていない、死者・行方不明者。

画像に映った、津波に襲われるまち、その後の被災地の惨状、人々。この二十日間被災の状況が報じられている。テレビを見、ラジオを聞く私たち。

 

 そして、いま、報じられるニュースは「福島第一原子力発電所の・・・・」から始まる。

 

<違和感1>

NHKは「東北関東大震災」と呼び、他の民放、新聞社は「東日本大震災」と名付けて報道している。義捐(援)金のあてさきも日本赤十字は「東北関東大震災」、新聞社、民放は「東日本大震災」となっている。

 日本は一つなのだろうか。 マグニチュード9を記録した今回の地震について、気象庁は「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と「命名」したのではなかったか。

 今後3・11に起こった地震・大震災を歴史的出来事として記憶するときにどのようにして語り継ぐのか、2011・3・11の地震は別の2つの大きな地震があったのだろうか。

 

<違和感2>

 福島原子力発電所の様々な情報についてのマスコミの報道についても、「正確で、迅速な情報」を送っているのかどうか。政府、原子力保安院、東京電力の発表について、多くの皆さんが疑問符をつけながら聞いているのではないか。

 次から次へと起こる事態への反応について。

 当初は、テレビ、新聞などは原子炉を含めた建屋の内部の構造について一部の図、模型を使いながら、専門家、「科学部」記者の「解説」を行っていた。 原発燃料の冷却が何よりの優先と「原子炉」内部についての「解説」、放射性物質(放射能?)がもれてからようやく配管、タービン、発電機などの施設について言及を始めている。

地震、そして津波によるダメージを受けた原子力発電所全体の被害状況を把握していたのではないか。マスコミの持っている情報把握の能力はただ記者会見を聞き、少し質問をするだけでいいのだろうか。マスコミの『衰弱』現象は今さらなのだろうか。

 

発電所の深刻な事態の終息へ、現場で作業されている方達の安全・無事を、そして少しでも早い「解決」を祈るばかりです。

 

 5年前に84歳で逝った父は、発電所のタービンをつくる会社に勤めていた。発電所(おもに火力発電所。原子力発電所もあったのかもしれない)に出張で行っていた記憶がある。(福岡・大牟田など)父の仕事は「管曲げ工」といって様々な配管(パイプ)曲部を大小のハンマーで叩きながら曲げていき、完成させる事であったらしい。その会社の「優秀技能工」の表彰をうけている。

生きていたら、どんなふうに思うのだろうか。