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新しい年へ 希望

今年もあとわずかな時間が残されているばかり。

今日の、天声人語に安岡章太郎さんの随筆からの引用がありました。

「本が増え過ぎて嘆かわしいのは、家が狭くなることもだが、それを読む時間が自分にどれだけのこっているか、と考えるときである。」(「本の置き場所」)

 

 ネットの「ふるほんや」を始めてから、新しい年の2月で丸3年になる。仕入で増えた本に、狭い我が家も窮屈になっている。

 安岡さんが思うように、これから「どれだけの時間が残っているのか」を意識せざるを得ない年齢になりつつある。年を越えるごとに時間の過ぎるのが早く感じられる。

 

 先日、俳優の入川保則さんが亡くなられた。1960年代の前半にNHKテレビで、緒方洪庵の開いた「適塾」に集った血気盛んな青年たちの群像を描いたドラマに出演していた。福沢諭吉など幕末から維新にかけて「蘭学」を学ぶ青年塾生たちが新しい世界に挑むため必死に勉強する、まさに青雲の志を実現すべく多くの仲間と切磋琢磨する日々を、毎週わくわくしながら見ていた記憶がある。

  

 青春・朱夏・白秋・玄冬と人生を言い表すことばがあります。そろそろ、白秋の時を迎え、「時間がどれだけ残っているのか」。

 同世代の仲間と語りながら、まだまだと、いきたいものです。

 

 3・11の大震災、津波、福島原発災害が刻印された2011年が終わろうとしていますが、新しい年が「希望に満ちた」年であることを願いつつ。

 

皆様、今年もありがとうございました。     店主 敬白