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原点 大晦日 フランス

「たよりも出てないし、新しい本の登録も休止状態、ネット書店失格ではないの!」と家人が言い、6月に大阪から戻った娘も「そうだよねえ」と責められ?て数か月。

「それはそうだけどさ」と声も小さくぼやくことしきりの店主でした。

 

倉庫兼仕事場として近くにレトロなアパートの一階に部屋を借り、3月から4月にかけて、書棚や本の移動などでままならず、5月から6月までは勉強会の発表準備、7月、8月は3か所でのワゴン市と、それなり忙しい日々を送っていたのですが。

前置き(言い訳)はこれぐらいにして、今年もあっという間に大晦日に。

Azuki堂で書籍を購入いただいたお客様、三省堂古書館、そして各所での古書市で本を買っていただきました皆様にお礼を申し上げます。

 

来年こそは、インターネットを通じて書籍を購入いただくという原点を忘れずに仕事を進めていきたいと思っております。どうかよろしくお願い申し上げます。

 

閑話休題・駆け足フランス旅行。

 

 9月中旬の朝刊を見ていた家人が、「モン・サン・ミッシェル、ルーアンそしてパリ4泊6日〇〇円・12月12日出発」のツアー広告を見て「行ってみようか」と。

店主も軽く「いいねえ」と返事。10年ぐらい前に作ったが、店主は一度も使っていないパスポートを確認し、「よし、行こうと」。シーズンオフの格安・駆け足のツアーを承知で気軽に決めていたのでした。

 

初めてのフランス行きも出発直前まで、あまり準備もせず「ツアーだから大丈夫」などと妙に落ち着いていたのです。

片道約12時間の飛行。「エコノミー症候群は大丈夫かねえ」と暢気なやりとり。店主は、出発3日前に買った『「語る人」吉本隆明の一念』(松崎之貞著・光文社)を読了。

日本とフランスの時差8時間とのことですが、疲れもなく、シャルル・ド・ゴール空港からバスでルーアンまで行き、そこで宿泊。

 翌日、モン・サン・ミッシェルへの途中、ノルマンディ独特のコロンバージュ(木骨組み造り)の民家が並ぶ「最も美しい村」とよばれる住民230人の「ブーヴロン・アン・オージュ」へ立ち寄りましたがなんと小雪が舞っていました。写真でお見せできないのが残念。ここで特産のシードル酒(アルコール度が少ない。この地方はりんごが特産、日本で言えば青森)をお土産に。住民が日常利用しているパン屋さんに入り、ちょっとクッキーなど。

そして、バスは一路、「モン・サン・ミッシェル」へ。ノルマンディ地方は英仏海峡に近く、ちょうど日本海側のように空は雲に厚くおおわれていました。

 

 遠くから見る、「モン・サン・ミッシェル」は雨と靄でかすんでいましたが、島の中の修道院など歴史の重さを伝える姿に圧倒されました。大天使ミカエル(ミッシェル)がオベール司教の夢のなかに3度現れたことが修道院建設(708年)のきっかけとのこと、英仏百年戦争の時は城塞として、フランス革命以後約百年は監獄として使われたとのこと。島の周りは遠浅の海だが、急激に潮が満ちて、島にわたろうとした巡礼者が命を落としたと伝えられている。(島への道路が、海を埋めたおかげで潮流が変わり、景観を損ねたとのことで、環境保護の観点からも、島への道を橋桁方式にする工事が行われていました。)

夕方、帰る途中見返した「モン・サン・ミッシェル」はライトが照らされ、幻想的な姿を少し見せてくれました。(この時期、日本人観光客が90%を占めるとの話でした!?)

まだまだ、見どころ、お土産話、そして冷や汗をかいた話はあるのですが、今回はこれくらいで。・・・  続く。

 

(おいおい、楽しんでばかりで仕事をしないといかんのではという、大天使の声も聞こえそうですが)

 

皆様、よいお年を。