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2月 言葉 吉野弘

昨日(1月31日)NHKラジオの午後マリアージュを聴こうとスイッチを入れると、国会中継が流れている。流れるままに聴いていると質疑応答の言葉が耳障りに聞こえる。いわく「丁寧にご説明をする」「寄り添いながら政策を進めたい」「~のわけであります」「しっかりとやっていくつもりです」どこか木で鼻を括る感が否めない。

 

最近亡くなった吉野弘さんの言葉でお口直しをしたくなりました。

 

 

赤い林檎の頬をして

眠っている 奈々子

 

<中略>

 

ひとが

ひとでなくなるのは

自分を愛することをやめるときだ。

 

自分を愛することをやめるとき

ひとは

他人を愛することをやめ

世界を見失ってしまう。

 

自分があるとき

他人があり

世界がある。

 

お父さんにも

お母さんにも

酸っぱい苦労がふえた。

 

苦労は

今は

お前にあげられない。

 

お前にあげたいものは

香りのよい健康と

かちとるにむづかしく

はぐくむにむづかしい

自分を愛する心だ。

 

『奈々子』より

 

少し長い引用になりました。

新年のあいさつも申しあげないまま2月となってしまいました。

Azuki堂はまだまだ続ける予定です。どうぞよろしくお願いいたします。